フィリピン過激派、カナダ人人質の2人目を殺害
(CNN) カナダのトルドー首相は13日、昨年フィリピン南部のリゾート施設でイスラム過激派アブサヤフに拉致された人質4人のうち、2人目のカナダ人男性が殺害されたとの見方を示した。
首相によれば、男性は身代金の新たな期限が切れた時点で殺害されたとみられる。
アブサヤフは当初、4月25日までに3億ペソ(約7億円)の身代金を支払うよう要求していた。人質になっていたもう1人のカナダ人男性は、この要求が通らなかったとして期限当日に殺害されていた。
トルドー首相は声明で、犯行グループの「卑劣で残忍な行為」を強く非難。「カナダはテロ集団に屈しない」と改めて表明した。
カナダ人男性2人とフィリピン人女性1人は昨年9月、ヨットで南部ミンダナオ島沖のサマル島にあるリゾート施設を訪れた際、同施設の支配人を務めるノルウェー人男性とともに拉致された。
アブサヤフは最近、最終通告と称し、人質3人がフィリピンのドゥテルテ次期大統領や大使館に助けを求めるビデオを公開していた。フィリピン人女性は頭を覆うスカーフを着け、男性2人が現地の言語でドゥテルテ氏に語り掛ける場面が映っていた。
アブサヤフでは一部のメンバーが2014年、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に忠誠を誓ったものの、両組織のつながりは薄いとされてきた。ただ今回のビデオでは、男性2人がISISの人質殺害ビデオを連想させるオレンジ色のTシャツを着ていた。ISISはこれまでのビデオで、キューバのグアンタナモ米海軍基地に収容されたテロ容疑者と同じオレンジ色のつなぎを人質に着用させていた。