ISIS、リビアでも支配地失う 政府軍がシルトを奪還
(CNN) リビアの暫定政府勢力は11日までに、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に支配されていた中部シルトの一部を奪還した。
暫定政府系の勢力はISISとの激しい衝突の末、10日深夜には同市の港を奪還。さらに東郊のサラワ地区を完全に掌握した。
奪還作戦は西部ミスラタの民兵らの主導で2週間近く前から続き、これまでに100人以上の戦闘員が死亡、約400人が負傷した。暫定政府は国際社会に医療支援を求めている。
同勢力はシルト近郊に仕掛けられていた即席爆弾を一斉に撤去し、シルトと東方約70キロの村を結ぶ道路を再開させた。空軍部隊はシルトの南3キロに位置するブハリで、ISISメンバーや武器庫への空爆を6回にわたり実施した。
ISISの支配地に対してはイラク、シリアでも奪還作戦が進み、本拠地とするシリア北部ラッカにも米主導の空爆の支援を受けている軍隊が迫っている。
シルトは地中海に面する港湾都市で、リビアの元最高指導者カダフィ大佐の出身地として知られる。ISISはカダフィ政権が5年前に崩壊した後、力の空白に乗じて同国での足掛かりを築いた。