ハリケーン直撃のハイチ、264人死亡 被害の全容つかめず
(CNN) 最大級の勢力を持つハリケーン「マシュー」に直撃された中米ハイチで、6日までに264人の死亡が確認された。人道支援団体によると、被害の全容はまだつかめておらず、犠牲者はさらに増える可能性もある。
マシューは4日にハイチに上陸。ドミニカ共和国やセントビンセント・グレナディーンでも死者を出し、6日にはバハマを直撃した。
ハイチでは首都ポルトープランスと同国南部を結ぶ道路の橋が崩落して通行できなくなり、救援活動が難航している。各地で土砂崩れが発生し、携帯電話も通じなくなって南西部とは連絡が取りにくくなっており、「想像以上に壊滅的な被害が出ている可能性がある」(国連ハイチ安定化ミッション報道官)という。
インフラや農業に与えた打撃は大きく、被災者は推定35万人、1万5000人以上が避難所に身を寄せている。特に南部では風速55メートルの暴風によって住宅が破壊され、集落は洪水に見舞われて、地域全体が孤立状態となっている。
中でも南西部のレカイとジェレミーは被害が大きく、カナダの支援団体によれば、住宅の80%が倒壊した地域もある。農作物にも大きな被害が出ており、今後数週間から数カ月にかけては飢えが広がることも危惧される。
レカイの状況を5日に見て回った支援団体の担当者は、多くの住宅が破壊され、ブリキの屋根はすべて吹き飛ばされていたと報告。大規模な洪水や土砂崩れで病院にも被害が出ていると伝えた。
ユニセフは5日、ハリケーンによるハイチの被害について、22万人の死者を出した2010年の大地震以来、最大の人道問題を発生させていると指摘した。
ハイチで9日に予定されていた大統領選挙は延期された。