「イスラム冒涜」発言、ジャカルタ知事辞任求めるデモ 91人負傷
バスキ氏による問題発言は来年予定の知事選の選挙戦演説で、対立候補がイスラム教の聖典「コーラン」の文章を引用したことを批判したもの。このビデオ映像が今年10月にインターネット上に流れるとイスラム教保守派や宗教界から広範な反発を受けていた。同時にジョコ大統領が過激派を刺激させないための方途を講じなかったことへの失政への批判も出ていた。
同国のイスラム教保守派は同知事がイスラム教徒が多数派の都市の行政責任者になるべきではないと主張。これまでも集会でコーランの一節などを紹介し、イスラム教徒に対し無信仰な人物と手を組むべきではないとも警告してきた。バスキ知事は少数派の中国系となっている。
不測の事態発生を恐れ治安当局は最大1万8000人の警官や軍兵士を動員してデモ行進を警備。知事の居宅周辺には約100人の武装警備員も配置された。警察は、抗議行動と言論の自由を平和的な方法で行使するようデモ参加者に要請。住民に対してはデモ行進のコースに近づかず、ソーシャルメディア上に流れる挑発的な情報に惑わされないことを呼び掛けた。
デモはジャカルタ中心部にある「イスティクラル・モスク(イスラム教礼拝所)」から始まり、大統領官邸までのルートで実施された。英国、オーストラリア両国政府はデモに伴い、自国民に注意を促した。