アレッポからの避難再開、移送用バスに放火で一時中断
(CNN) シリア政府軍がほぼ制圧した北部アレッポ東部から反体制派や住民を避難させる措置は18日、数時間の停止の後再開した。現地の活動家が伝えた。停止の原因は避難用バスの放火で、その間も避難を待つ住民は厳しい寒さの中での足止めを余儀なくされた。
アレッポでは政府軍と反体制派の間で停戦が成立したことを受け、住民らの避難が15日から始まったものの、16日には停止された。
政府軍や政府系のイラン民兵は新たな交換条件として、隣接するイドリブ県内に残る反体制派の町4カ所から数千人の住民を避難させる措置を要求。反体制派はこれを受け入れ、17日に合意が成立していた。
ところがこの後、イドリブの町へ向かっていた複数のバスが放火されたため、双方の避難は延期される結果となった。
避難民支援に当たっている活動家によると、アレッポ東部からの避難は18日深夜になってようやく始まったという。現地からは同日夕方の時点で、避難を待つ数千人の住民らが16日以降、氷点下の寒さの中で路上や廃墟で眠る生活を強いられているとの情報が入っていた。
活動家の1人はツイッターに、疲れ切った人々や負傷者ら数十人が早朝から待機している場面の映像を投稿し、「民間人は交渉の道具ではない」と書き込んだ。
国連安全保障理事会は19日に会合を開く予定。アレッポへ住民避難の監視チームを派遣するというフランスの提案が採決にかけられる見通しだ。ただシリア内戦をめぐる決議案に対しては、これまでにアサド政権を支持するロシアが6回、中国も5回にわたって拒否権を行使している。