仏極右政党のルペン党首、トランプ氏による入国禁止令を称賛
トランプ大統領が就任当日に打ち出した援助プログラムへの予算カットやメキシコとの国境の壁建設などの大統領令については、「同氏はそれをやると言って選出された。同氏が選挙運動中に公約した内容を実行に移しているという理由で、世界が憤慨しているように見える」とルペン氏。移民反対を掲げる同氏にとって、トランプ氏の浮上や英国のEU離脱など、世界の地政学的シフトは追い風になっている。
ただしフランスへ流入する移民の流れは止めるとしながらも、トランプ大統領にならってフランスの国境に壁を建設することには関心がないとした。
自由貿易に反対するトランプ氏の政策についても、「制約のない自由貿易は惨状を招いた」として支持を表明。「そうした考えは、国民投票を経て英国で実行に移されている。ドナルド・トランプ氏の選出を受けて、人々はこの乱暴で無秩序なグローバル化を終わらせことも求めており、われわれは素晴らしい愛国主義に向け、文化の保全と地元の雇用の保護へと動きつつある」と論じている。
もし大統領に選出されれば半年以内にフランスでもEU離脱の是非を問う国民投票を実施する意向で、まずはフランスの領土的、経済的、法的な主権を取り戻すための交渉を試み、それに失敗すれば国民投票を実施すると説明した。
ルペン党首は以前からロシアのプーチン大統領を支持しており、ロシアがクリミア半島を「侵略」したとは思っていないと述べた。対ロシア制裁についても「まったく馬鹿げている。何の問題も解決されず、状況は一切改善していない。やったことといえばEUに大きな経済問題を生じさせたことだけだ」と批判している。