イスラム寺院で20人殺害、管理人ら5人逮捕 パキスタン
パキスタン・イスラマバード(CNN) パキスタン当局は2日、北部パンジャブ州サルゴダにあるイスラム寺院で20人が殺害される事件があり、寺院の管理人など容疑者5人を逮捕したと発表した。ほかに3人が病院に搬送され、重体になっているという。
地元警察によると、逮捕された管理人のアブドゥル・ワヒード容疑者は、同寺院で信者らに薬物を投与して衣服をはぎ取り、刃物やこん棒を使って殺害した疑いが持たれている。
現場から逃れた女性2人と男性2人が警察に通報して事件が発覚し、ワヒード容疑者など5人が逮捕された。警察によれば、ワヒード容疑者は精神的に不安定な状態にあるという。
パキスタンでは全土に点在するイスラム寺院が瞑想(めいそう)や避難の場を提供し、ホームレス救済事業を行っている。管理人は一般的に、そうした救済活動の管理や祭事などの管理を担う。
パンジャブ州の首相は事件に対する調査を命じ、犠牲者の遺族には補償金を支払うと発表した。
州首相側近によれば、寺院の管理人の多くは地元政治家と組んで影響力を行使し、票と引き換えに保護を受けている。「寄付を集めるためだけに無名の人物を聖人として埋葬しているケースもある」「そうして集めた多額の金を食料や衣類に充て、不正な管理人が絡む場合は薬物や女性やアルコールに充てている」という。側近は、国内でそうした管理人を取り締まるために規制が必要だと訴えている。