クシュナー氏、ロッキードCEOに電話 THAAD値下げ要請 サウジとの契約
ワシントン(CNN) トランプ米大統領の娘婿のクシュナー上級顧問が今月初め、サウジアラビア代表団との会談中に、米防衛大手ロッキード・マーチンの最高経営責任者(CEO)に個人的に電話し、同社の高高度迎撃ミサイルシステム 「THAAD(サード)」の値下げが可能か尋ねていたことが20日までに分かった。この電話の件に詳しい情報筋が明かした。サウジ代表団は衝撃を受けていたという。
クシュナー氏にはトランプ氏のサウジ訪問を前にした2週間で、1000億ドル(約11兆円)超に及ぶ巨額の武器取引をまとめるよう重圧がかかっていた。同氏はサウジの代表団が今月1日にホワイトハウスを訪れた際、ロッキード社のマリリン・ヒューソン最高経営責任者(CEO)に電話でTHAADの値下げを要請。ヒューソン氏はこの要請を検討する意向を示した。
ホワイトハウスによれば、両国は最終的に、戦車や戦闘機、戦闘艦のほかTHAADを含む1100億ドル相当の兵器取引を結ぶことで合意に達したという。
サウジ側がTHAADにいくら払うのかは不明だが、トランプ氏は先月、韓国への配備の際にこれを「10億ドル規模のシステム」と呼んでいた。
トランプ氏は20日にサウジに到着後、この取引を正式に発表するとみられている。クシュナー氏ら顧問数人もサウジ訪問に同行する見通し。
トランプ氏は就任前の昨年12月、高額すぎるとして最新鋭戦闘機F35を批判。ヒューソン氏はこれを受け、コスト削減を「個人的に約束」していた。大手防衛企業トップに電話して値下げを要請するというクシュナー氏の交渉手法をこの例と比較する見方も出ている。