フィリピン南部の街で空爆続く ISIS系勢力が占拠
(CNN) 過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に忠誠を誓った武装勢力が侵入し、市民100人以上が死亡しているフィリピン南部ミンダナオ島の街マラウイで、軍が空爆による奪還作戦を展開している。
ISIS系のイスラム過激派「マウテグループ」は先週、マラウイに攻め入って政府軍と衝突。ドゥテルテ大統領はこれを受け、ミンダナオ島全土に戒厳令を出した。
軍の報道官は30日、国営フィリピン通信(PNA)を通し、特定の標的を狙った空爆を慎重に実施していると述べた。
マラウイに侵攻したマウテグループは教会などの建物に放火し、昨年忠誠を誓ったISISの旗を立てた。国防当局によると数十人の住民が殺害され、さらに多数が人質になっている。隣町ではマウテグループの侵入を防ぐため、夜間外出禁止令が出ているという。
マラウイには、ISISから東南アジアの指導者に指名されているハピロン幹部が逃げ込んでいるとみられる。マウテグループは、警察と軍から同幹部を守ろうとしている可能性がある。
国防当局によると、作戦ではこれまでにマウテグループのメンバー80人以上を殺害。政府軍の兵士17人と警官3人が死亡した。
ドゥテルテ大統領は、最近政府と和平合意を結んだ同島の反政府勢力モロ民族解放戦線(MNLF)、モロ・イスラム解放戦線(MILF)のメンバーに対し、希望があれば軍兵士として雇うとのメッセージを送った。
大統領は戒厳令の期間を年末まで延長し、対象範囲も同国全体に拡大したいとの意向を示している。