ISIS「首都」解放へ、米支援のシリア民主軍が作戦開始
(CNN) シリアで米軍の支援を受けて過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」と戦うクルド人やアラブ人の合同部隊「シリア民主軍(SDF)」は6日、ISISが「首都」と称する北部ラッカの解放作戦を開始すると宣言した。
SDFは昨年11月以降、ラッカ奪還への布石として同市を包囲してきた。SDFの報道担当者は「北と東、西の三方からの包囲を完了し、全世界と平和愛好者たちが待ち望んでいた歴史的瞬間を迎えている。ラッカを解放し、ISISの自称首都を破壊する作戦の開始を宣言する時だ」と述べた。
ラッカにはISISの作戦本部が置かれているが、すでにSDFがほぼ完全に包囲し、先遣隊が補給路を断っている。
米軍主導の対ISIS有志連合も作戦開始を確認した。有志連合のタウンゼンド司令官は「長く困難な戦いになる」としたうえで、「物理的なイスラム帝国を築くというISISの構想に決定的な打撃を与えることになるだろう」と述べた。
米当局が把握している情報によると、ラッカ市内には塹壕(ざんごう)やトンネルが掘られ、道路や民家、ビルには爆弾が仕掛けられている模様だ。
SDFはラッカ奪還に向け、この数カ月で大きく前進してきた。5月にはクルド人部隊が近郊の要衝タブカのダムを奪還している。
またイラクでは同国の軍が有志連合の支援を受け、北部モスルの奪還作戦を進めている。タウンゼンド司令官は「ラッカとモスルの両都市を失えば、ISISに勝ち目があるという誘い文句は通用しなくなる」と予想。「ISISはイラクとシリアだけでなく、あらゆる国に脅威を及ぼしている。このままにさせておくわけにはいかない」と強調した。