ドゥテルテ大統領、戒厳令に許し求める 街の再建も約束
フィリピン・イリガン(CNN) フィリピンのドゥテルテ大統領は22日までに、南部ミンダナオ島に戒厳令を敷いたことについて許しを求めるとともに、同島の町マラウイの再建を誓った。マラウイはフィリピン軍と過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に忠誠を誓った武装勢力との4週間にわたる戦闘で大きな被害を受けている。
ドゥテルテ大統領は、マラウイから約40キロ離れたイリガンの町に設けられた避難民収容施設で、「私に選択肢はなかった。私はマラウイを破壊している連中を追い出さなければならない。だが本当に申し訳ない。私はマラウイを再建してみせる」と語った。
戦闘により多数の死者が出ているほか、人道危機も起きている。政府によれば33万人以上が家を追われたという。
多くは親族や友人の家に身を寄せているが、1万6000人を超える国内難民が収容施設に集まっている。
大統領の演説に先立ち、ミンダナオ開発庁のアロント長官は、避難民らを前に、「あなたたちの政府、つまりフィリピンのドゥテルテ大統領はマラウイの善良な人々に対し宣戦布告したのではない。彼があなたがたの家を焼いたわけではない」と述べた。
アロント氏は、政府と和平合意を結んだ同島の反政府勢力「モロ民族解放戦線(MNLF)」の幹部やマラウイ市長などを務めた経験がある。
今回の戦闘をきっかけに、ドゥテルテ大統領は国際的な軍事協力に関する方針を転換している。大統領は昨年、「フィリピン軍兵士を除くいかなる国の兵士も」国内では見たくないと発言していたが、大統領報道官は申し入れがあれば外国からの軍事支援を受け入れる用意があると述べている。