中国、南シナ海の小島に最新式の映画館を建設
香港(CNN) 中国や台湾、東南アジア諸国が領有権争いを繰り広げる南シナ海で、中国が西沙(パラセル)諸島の小さな島に最新式の映画館を建設した。島の実効支配を固める狙いがあるとみられる。
中国国営新華社通信によると、中国が台湾、ベトナムと領有権を争う永興(ウッディー)島に、高解像度の「4K」プロジェクターを備えた定員200人余りの映画館がオープンした。
島の住民や駐留兵士らが本土と同じタイミングで映画を楽しめるよう、毎日少なくとも1作品を上映するという。運営会社はさらに、周囲の島でも無料で映画を上映するため、移動式の映写システムを2セット購入した。
永興島は中国南部の海南省から約320キロ離れた位置にあり、面積は2.6平方キロ、人口は約1100人とされる。中国は2012年、南シナ海の島々を管轄する「三沙市」を設け、この島に拠点を置いた。
その後さらに南シナ海の開発を進めて観光ツアーを奨励し、人工島に滑走路や港湾施設を建設してきた。米軍は「航行の自由作戦」と称し、この海域へ軍艦を送り込んで中国をけん制。中国側はこれに強く反発している。