ミャンマーのロヒンギャ迫害、多数派仏教徒の本心とは
看護学を学ぶキリスト教徒の女性(25)は「両方とも苦しんでいる。安定した状況になることを望む」と話した。
スーチー氏のもと、軍事政権から民主化への移行に伴う経済成長の恩恵を受けるヤンゴンの市民にとって、ラカイン州の人道危機は遠く離れた場所の出来事のようにも思える。
皮肉なことに、欧米から人権活動家としてたたえられたスーチー氏が今回の問題への対応を巡って非難される中で、そうした批判の高まりが、ミャンマー国内では同氏に対する支持を一層高める要因になっている。
「間違った情報や偽の情報のために、スーチー氏は綱渡りをしている」とあるツアーガイドは言う。
国家顧問としてのスーチー氏は、あらゆる権限を掌握しているわけではない。同国の憲法では、ミン・アウン・フライン国軍司令官が率いる軍に絶大な権限を与えている。
支持者もロヒンギャに対する同情心をほとんど持たない状況のなか、スーチー氏にとって、国際社会の望むようなやり方で国軍司令官のロヒンギャに対する行動を非難することにつながるような動機はほとんどない。