偽医者が「治療」、33人がHIV感染か インド
(CNN) インド北部ウッタルプラデシュ州バンガーマウ市で、医師を名乗る男によって汚染された注射針による治療を受けた少なくとも33人にHIV陽性の反応が出ていることが8日までにわかった。同市の警察は、医者と名乗る男を逮捕した。
地元の軍医によれば、男は徒歩や自転車で相手先を訪問し、投薬も行っていたという。
男はわずかな金でさまざまな治療を行っていた。多くのインドの人々にとって保健制度は高すぎるという現状もありそうだ。
医療ミスが疑われ始めたのは昨年11月。保健当局者が、同じ地域からのHIV陽性の患者が驚くほどの数となったのを検知した。1カ所から多くの患者が出ていることがわかり、テントを設置し、患者に対して認知の呼びかけや治療の提供を行ったという。
感染していた患者全員が逮捕された男の治療を受けていたと述べた。また、注射の前に男が針を交換するのは一度も見たことがなかったという。
軍医は、どうしてこのようなことになったのか確認するすべはないとしながらも、交換されなかった汚染された注射針を通じて感染が広がった可能性があるとの見方を示した。
逮捕された男は、危険な病気の拡散や過失殺人への関与、医師と身分を偽ったことといった容疑に問われる見通し。
人口13億3000万のインドでは、医療サービスへの需要を満たすことは難しい。十分な医療保険もなく、特に郊外などでは、わずかな料金で対応してくれる無資格の医師を頼ることも多い。
インド政府も医科大学を新設したり、既存校を拡充したりするなどして医療の質を高めようと取り組みを進めている。