アフガン、タリバーンを「政党」認定も 和平交渉呼びかけ
アフガニスタン・カブール(CNN) アフガニスタンのガニ大統領は2月28日、反政府勢力タリバーンとの間で和平合意が成立した場合、同勢力を合法的な政党として認める用意があると明らかにした。
ガニ氏は首都カブールで行われた国際会議の冒頭、パキスタンとの和平協議再開に言及。「過去の苦い経験は忘れ、新しい章を始める用意がある」と述べた。
そのうえで、前提条件なしで協議を開始することなどを提案した。タリバーンによる政治拠点の開設を支援する考えも示したが、設置場所が首都カブールもしくは外国になるのかは不明だ。
ガニ氏はまた、タリバーンの構成員に対し社会への再統合や制裁解除を提示。その条件として、和平協議への参加や暴力の放棄、アフガン政府の承認、法の支配の尊重を求めた。
ただ、現在の形での提案を軌道に乗せるのは困難とみられる。
提案には交渉に女性の声を反映させるとした部分もあるが、タリバーンの原理主義的なイスラム教解釈では女性を「2級市民」として扱っており、タリバーンが受け入れを拒む可能性もある。
今回の発表は、アフガン政府と米政府の溝が拡大していることを示すものとも言えそうだ。トランプ米大統領は先月、タリバーンによる暴力の行使が続いていることを挙げ、米政府は対話に臨む用意はないと述べていた。
タリバーンはアフガンの統治と、厳格なイスラム法解釈の適用を目標に掲げ、国内で激しい戦闘を展開してきた。2001年同時多発テロ後に米主導有志連合の進攻を受け、政権が崩壊したものの、近年は再び勢力を増して国土の多くを掌握。テロ攻撃の被害は首都カブールの住民にも及んでいる。