アフリカ移民が抗議デモ、セネガル人殺害受け 伊フィレンツェ
(CNN) イタリアのフィレンツェでこのほど、アフリカからの移民数十人が街の中心部を練り歩くデモ行進を行った。セネガル出身の貿易業者が地元の男に射殺されたことを受け、抗議の意思を示した形だ。
イタリアのANSA通信によると、事件が起きたのは5日。フィレンツェ郊外に住む65歳の男が、54歳のセネガル人の貿易業者を市中心部で射殺した。
拘束された男は警察に対し、「経済的な理由から」自殺しようとしていたと供述。男の自宅からは家族に宛てた遺書も見つかったという。警察の広報担当者はCNNに対し、殺害の動機について人種の問題とは無関係だとの見方を示した。
しかし現地に住むセネガル人のコミュニティーは、事件前日に行われた総選挙で移民が重要な争点になっていた点に言及。「被害者が殺された理由を明らかにする必要がある」として、5日夕にデモ行進を実施した。
総選挙では反移民を掲げる政党が大きく躍進していた。
デモの様子をとらえた動画には、数人の参加者がゴミ箱をひっくり返したり、スクーターを倒したり、花の植えられた鉢を壊したりする姿が映っている。
フィレンツェのナルデラ市長はツイッターで声明を発表。事件は「精神が錯乱した人物によるもの」だとして、人々に冷静な対応を求めた。
そのうえで「セネガル人コミュニティーが感じる苦痛は理解するが、市中心部で起きた暴力的な抗議行動は受け入れられない。どのような立場であれ、暴力に走る人物には警察が対処せざるを得ない」と述べた。