皮膚をむしばむ感染症、オーストラリアで患者急増 原因は不明

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治療が遅れると、手足の切断や形成手術が必要になる場合もある

治療が遅れると、手足の切断や形成手術が必要になる場合もある

ブルーリ潰瘍の原因となるマイコバクテリア菌は、皮膚に入り込むと増殖して毒素を生成する。まず患者の皮膚に痛みを伴わない小さな発疹ができ、やがて傷口が開いて潰瘍になる。中には骨にまで達し、身体が変形してしまう場合もある。

死亡例も報告されているものの、ほとんどの場合、死に至ることはなく、抗生剤で治療すればほぼ100%治癒するという。

しかし治療が遅れると、手足の切断や形成手術が必要になる場合もある。オーストラリアの専門家によれば、現在の抗生剤治療で手術を防ぐことができているのは、患者の40%のみ。「新型の抗生剤や、照準を絞った抗毒素治療が必要とされている」という。

2017年に世界で報告されたブルーリ潰瘍の症例数は2206例と、16年の1920例より増加した。その大半は、オーストラリアとナイジェリアの患者だった。

感染経路が分からないことから、予防対策は確立されていない。オーストラリアで症例が増えている原因も不明だが、環境汚染や外傷が関係する可能性のほか、蚊やポッサムが媒介する可能性も指摘されている。

家族での集団感染も一般的に見られるものの、人から人への感染は確認されていないという。

傷口を修復するために形成手術が必要になる症例も多く、患者1人当たりの治療費は平均で1万4000オーストラリアドル(約117万円)に達している。

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