米政権、北朝鮮との首脳会談実現に注力 日本と会談も
ワシントン(CNN) 米朝首脳会談の開催をめぐり、米国は北朝鮮とシンガポールに担当チームを派遣するなど、実現に向けた取り組みに力を入れている。トランプ大統領は28日、日本の安倍首相と電話で会談し、米朝の前に日米の首脳会談を開くことで合意した。
米国からはソン・キム駐フィリピン大使が率いる代表団が北朝鮮側と協議するため、南北軍事境界線の北朝鮮側にある施設「統一閣」に到着した。協議では、米朝会談で発表する共同声明の草案作りなどを目指している。
一方、ヘイギン大統領次席補佐官が率いる代表団は28日夜、首脳会談の会場として想定されているシンガポールに到着し、北朝鮮側の到着を待っている。シンガポールでは2週間前にも米朝間の実務協議が計画されたが、北朝鮮側の欠席で中止となり、トランプ氏はこの後で首脳会談自体の見送りを発表していた。
しかし韓国の聯合ニュースによると、今回は金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の側近、金昌善(キムチャンソン)氏が北京経由でシンガポールへ向かっているという。米当局者らの話によれば、同氏は米国側との実務協議で、正恩氏の警護チームの規模や双方の代表団の構成、報道陣への対応などを話し合う意向とみられる。
事情に詳しい米当局者によると、今後さらに米国のポンペオ国務長官や正恩氏らを含む高位級の協議が開かれる可能性もある。
トランプ氏は28日、北朝鮮への圧力維持を主張する安倍首相と電話で会談。両氏は米朝会談の予定日とされる来月12日より前に会談する方向で一致した。
トランプ氏の周辺では、ボルトン国家安全保障担当補佐官らが、たとえ形式的な会談だとしても、米朝首脳が直接会うことは外交的勝利になると主張している。会談が核問題をめぐる交渉のきっかけになるとの考えからだ。両首脳が共同声明で交渉の枠組みを示し、その後数カ月から数年かけて詳細を詰める方式が有力視されている。