警官ら3人殺害の容疑者、前日にも殺人の疑い ベルギー検察
(CNN) ベルギーの連邦検察は30日、東部リエージュで男が警官2人から銃を奪って発砲し、この2人と市民1人を殺害した事件について、射殺された容疑者の男が前日にも1人を殺害している疑いのあることを明らかにした。
検察の報道官によると容疑者はベルギー国籍の31歳の男で、窃盗や強盗、薬物の乱用などの罪で服役中だったが、一時的な釈放を認められて28日の午後7時半に刑務所へ戻る予定だった。
刑務所へ戻らなかった容疑者の男について当局は現在、強盗をはたらいたのち共犯者を殺害していたとの嫌疑をかけている。
男は翌日の29日午前10時半ごろ、女性警官2人を後ろから襲って刃物で刺し、銃を奪ってこの2人を撃った。続いて路上に止まっていた車に向かって発砲し、運転席の市民を殺害した。
さらに現場近くの高校に逃げ込んで女性1人を人質に取ったが、出動した警官に射殺された。
当局は29日の事件をテロ事件として捜査している。動機は不明だが、警察によると男は服役中の2016年から17年にかけ、過激思想に感化された可能性があるという。
ロイター通信が報じたところによれば、過激思想に染まった可能性のある受刑者の一時的な釈放を認めた当局に対し、その判断を疑問視する声が上がっている。刑務所の業務を統括するヒーンス司法相はCNN系列局RTBFの取材に答え「責任を感じている」と述べた。