英議会前の車突入、警察がテロとして捜査 ロンドン
ロンドン(CNN) 英ロンドンで国会議事堂前の防護柵に乗用車が突っ込み数人が負傷した事件について、ロンドン警視庁は14日、テロ事件として捜査していることを明らかにした。
事件は13日のラッシュアワーに発生した。警察によると、現地時間の午前7時半ごろ、1台の車が自転車や歩行者を次々にはねた後に、国会議事堂前の防護柵に突っ込んだ。
車を運転していた20代後半の男はテロ関連容疑で逮捕され、ロンドン南部の警察署に勾留されている。
ロンドン警視庁は、男が市内の象徴的な建物を意図的に狙ったと見られることから、テロとして捜査に乗り出した。男は調べに対して非協力的な態度を取っているといい、身元は現在確認中。英情報局保安部(MI5)や警察のテロ捜査班にはマークされていなかったと思われるという。
今回の事件に関連して、ロンドン市民や英国の他地域にこれ以上の危険が及ぶことはなさそうだとしている。
負傷者のうち、男性1人は病院で手当てを受けて帰宅し、別の女性はまだ治療を受けているものの、重症は負っていない。もう1人は現場で手当てを受けた。
車に乗っていたのは逮捕された男1人のみで、現場から武器などは見つからなかった。
現場に近い地下鉄のウエストミンスター駅は閉鎖され、周辺の道路も封鎖された。同地は国会議事堂やウエストミンスター寺院を訪れる観光客にも人気がある。
地下鉄や道路の封鎖は当面は続く見通しで、警察は市民や観光客に対し、この地域に近付かないよう呼びかけている。
ロンドンでは2017年3月にも、国会議事堂に近いウエストミンスター橋で歩道に車が突っ込んで4人が死亡するテロ事件が発生。これを受けて警備態勢が強化されていた。