テヘラン(CNN) イランのザリフ外相は19日、首都テヘランでCNNの単独インタビューに応じ、米国による対イラン制裁を「制裁中毒という病」だと批判した。
ザリフ氏はオバマ前米政権時代のケリー国務長官とともに、イランと欧米など6カ国の核合意を主導した人物。合意は欧米の対イラン制裁解除と引き換えに同国の核開発を制限する内容だった。
しかし同氏はインタビューで、「米国はオバマ政権時代も、制裁解除にともなう約束を実行することより、解除していない制裁を維持することに重点を置いていた」と批判した。
トランプ米政権は今年5月に核合意から離脱。制裁再開の第1弾として、今月6日からイランとの自動車部品、貴金属などの取引を禁止した。
ザリフ氏が同日以降、欧米メディアのインタビューに応じたのは初めて。米国への留学経験を持つ同氏は、流ちょうな英語で約1時間にわたり、米政権の姿勢に対する見解などを語った。
「イランに制裁を加えても、米国が狙った政治的な結果は出ない。米国はそれを学んだと思っていたが、残念ながら間違いだったようだ」「米政権は今でも、1953年のクーデターで米国が擁立したイラン政権を相手にしていると思い込んでいるようだ。いい加減に目を覚まして現実を直視するべきだ」と主張した。
トランプ氏とイランのロハニ大統領が会談する可能性については、核合意という「大きな進展」が破棄された状態では無理との考えを示した。
また、米国の制裁が苦しめているのは「薬を買いたい人々、食料を買いたい人々」だと述べて、市民生活への影響を強調した。