バチカンと中国、司教任命で初の暫定合意 国交正常化へ前進
(CNN) キリスト教ローマ・カトリック教会の法王庁(バチカン)と中国政府は22日、双方が承認する司教を中国内で任命する暫定的な合意に署名したと発表した。両国間のこの種の合意は初めて。
法王庁のグレッグ・バーク報道官が録音された報道機関向け声明で明らかにした。両国間の国交回復に向けた重要な一歩になるとみられている。両国は1951年、カトリック教会の聖職者も巻き込んだ中国指導者に対する暗殺謀議事件が発覚後、国交を断絶していた。
同報道官は今回の暫定合意について、「政治的なものではなく、宗教的なもの」と説明。「信者がローマ法王庁と一体であり、同時に中国当局も認める司教を抱くことを可能にする措置」とした。
司教の相互承認は今後、法王庁と「中国天主教愛国会」が実施する。これまでは双方とも相手が任命した司教をそれぞれ認めない状況が続いていた。
中国内のカトリック教徒は600万人。ただ、香港のキリスト教研究団体によると、中国天主教愛国会を信奉しない信者を含めればほぼ倍の人数になる可能性がある。