台湾総統が演説、中国の挑発をけん制
(CNN) 台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統は10日、双十節(建国記念日に相当)のテレビ演説で中国に対し、「責任ある」国として無用な挑発は慎むよう呼び掛けた。
蔡氏は演説で、台湾側から不用意に中国を挑発するつもりはないと述べ、中国も「紛争の源」になることは避けるべきだと力説。中国側の最近の言動が、中台間の関係や平和と安定に悪影響を及ぼしていると主張した。
そのうえで、中国からの脅威に対抗するため、台湾の安全保障を強化するよう努めると表明した。
台湾ではこのところ経済の低迷と中国からの圧力を背景に、蔡氏の支持率が低下。11月に統一地方選挙を控え、蔡氏率いる与党・民主進歩党は厳しい戦いを強いられている。
蔡氏は「台湾総統として、怒りにまかせて衝突に向かい、中台関係を危険に陥れるようなことはしないと市民に約束する。だからといって台湾の主権を犠牲にはしない」と強調した。