トルコ、米国人牧師の釈放を決定 拘束で対米関係悪化
トルコ・アリアガ(CNN) トルコの裁判所は12日、エルドアン大統領に対するクーデター計画に関与したとして2年間ほど拘束されていた米国人牧師、アンドルー・ブランソン氏を釈放する決定を下した。
トルコと米国の関係はこの件で悪化。米国側が宗教の自由を大義として掲げ、ブランソン氏を擁護したことも関係悪化に拍車をかけていた。
弁護士によれば、裁判所はブランソン氏に禁錮3年1カ月を言い渡したが、未決勾留期間や公判手続き中の態度を考慮し、釈放を決定した。検察は禁錮10年を求刑していた。
ブランソン氏は同日中にトルコのイズミルにある自宅を離れ、出国のため空港に向かった。米国防当局者によると、米軍が欧州に配備中の軍用機を用意したという。
トランプ米大統領はブランソン氏について、「健康状態は良好」との見方を示し、完全な検査のためドイツに向かう可能性が高いと説明。「彼が戻ってくるということで大変光栄」と述べた。
一方、トルコ大統領府は、米国との間で何らかの取引があったことを否定。トランプ氏が「ブランソン氏のことで尽力してきた」などとツイートしたのを批判した。
大統領府の報道責任者は声明で、「米国がトルコの独立した裁判制度に圧力を掛けようとしてきたのは非常に遺憾だ。我が国はこの間、制裁関連のさまざまな脅しを受けてきた」としている。
トルコは軍によるクーデター未遂後の2016年10月、ブランソン氏を拘束した。ブランソン氏は米ノースカロライナ州出身で、福音派の牧師としてイズミルの教会で働いていた。