香港と中国結ぶ世界最長の海上大橋が開通、本土との関係やイルカ保護めぐり批判も
珠江デルタは絶滅危惧種に指定されたシナウスイロイルカの生息地でもある。一帯の生息地は、香港などによる大規模な埋め立てによって破壊されてきた。
野生生物保護の専門家は、架橋や香港空港の拡張工事によって、シナウスイロイルカが絶滅に追い込まれる恐れもあると危惧していた。
橋の建設が環境に及ぼす影響が指摘されたことを受け、香港政府はイルカなどの海洋生物保護を目的とした海洋公園の創設を表明。しかし専門家からは、橋建設の影響を抑えるためには既に手遅れだと指摘する声も出ている。
橋の建設は安全基準を巡っても一般からの強い批判にさらされた。建設工事で死亡した作業員は7人、負傷者は275人に上る。香港当局は死者が相次いだ理由について、人手不足が原因だったと説明しており、裁判所は今年に入り、下請け業者数社に罰金の支払いを命じていた。