フィリピンと中国が関係強化、南シナ海の資源開発協力で合意
(CNN) フィリピンを公式訪問した中国の習近平(シーチンピン)国家主席が20日、ドゥテルテ大統領と首都マニラで会談し、石油とガスの探査で協力することで仮合意した。南シナ海での領有権拡大を図る中国に対して警戒感が募る中、フィリピン国民は反発を強めている。
習主席は2日間の予定でフィリピンを公式訪問しており、20日の会談で両首国は29項目の合意を発表した。
フィリピン政府報道官がCNNに語ったところによると、合意内容にはエネルギー資源の共同探査に関する覚書のほか、教育、農業分野での協力、インフラプロジェクトなどが含まれる。
中国側の草案によると、中国政府は国営の中国海洋石油集団がフィリピンと共同で、南シナ海の資源探査を行うことを承認する。この内容は、フィリピンの野党議員が20日、記者団に明らかにした。
フィリピンはかつて、南シナ海での中国の領有権主張に対して強硬姿勢を取っていたが、ドゥテルテ政権下では中国との経済関係強化を目指す姿勢を強めている。
マニラでは習主席の到着に合わせて中国大使館前に数千人が集まり、抗議デモを展開した。
デモ参加者は、南シナ海の公海上に建設された中国の軍事基地や、習主席が推進する「一帯一路」構想の下で進められる中国主導のプロジェクトに対する借款協定などに対し、抗議の声を上げている。