女性にとって最も危険な場所は「自宅」 国連報告書
(CNN) 女性にとって最も危険な場所は「自宅」だった――。国連薬物犯罪事務所(UNODC)がこのほどまとめた報告書で、そんな実態が浮き彫りになった。
それによると、世界で故意による殺人事件の犠牲になった女性の数は、昨年1年間で推定8万7000人に上る。うち58%に当たる約5万人は、パートナーや家族によって殺害されていた。
パートナーまたは元パートナーによって殺害された女性は全体の3分の1以上を占める。家族によって殺害される女性は1日当たり137人に上る。
殺人事件の被害者は男性の方が多く、加害者は見知らぬ相手が大半を占めているが、女性の場合は家族や知人によって殺害される確率の方が大きかった。
この報告書は、「女性に対する暴力撤廃の国際デー」に当たる11月25日に発表された。ジェンダーが絡む暴力や、男性がジェンダーに関連して犯すヘイトクライムの犠牲者に関する統計をまとめている。
地域別にみると、パートナーや家族によって殺害された女性が最も多かったのはアジア地域で、犠牲者数は年間2万人。次いでアフリカ(1万9000人)、米大陸(8000人)、欧州(3000人)、オセアニア(300人)の順だった。
ただし女性が殺害される確率ではアフリカと米大陸が上回る。女性人口10万人当たりの犠牲者数は、アフリカが3.1人、米大陸は1.6人、アジアは0.9人、最も少ない欧州は0.7人だった。
殺人事件の犠牲になる女性の数は、2012年に比べて増加している。2012年の統計では、パートナーや家族によって殺害された女性は4万8000人で、被害者全体の47%を占めていた。