メイ首相の続投決まる、与党の信任投票で勝利 「長く困難な1日」
(CNN) 英与党・保守党は12日、党を率いるメイ首相に対する不信任投票を行い、信任多数でメイ首相の続投が決まった。党内では、欧州連合(EU)離脱への対応を巡りメイ首相に対する不満が噴出していた。信任は200票、不信任は117票だった。
信任を勝ち取った後、首相公邸前に姿を現したメイ首相は、記者団に対し「長く困難な1日だった」と振り返った。
党内の相当数の議員が不信任票を投じたことについては「彼らの声に耳を傾けてきた」と述べる一方、「今はブレグジット(EU離脱)という仕事を進める必要がある」と指摘。自身には「国民投票で決まったブレグジットを実現し、この国を再び結束させ、真に国民のための国家を築く責務がある」と強調した。
無記名による投票は現地時間の午後6時から始まった。これに先立ちメイ首相は、2022年の次期総選挙には出馬しないと表明していた。
メイ首相の続投が決まったことについて、ハント外相やハモンド議員は歓迎を表明。一方、メイ首相の辞任を迫っていた議員は改めて批判の声を上げている。野党・労働党のコービン党首は「政府は混乱状態にある」と指摘した。
不信任投票は乗り切ったものの、メイ首相の置かれた状況が改善するわけではない。首相はEU離脱案を通過させようとしない英議会と、再交渉には応じない姿勢のEUとの間で板挟み状態にある。10日に予定されていた離脱案についての採決は、否決されることが確実となったために延期を余儀なくされていた。