メイ英首相、議会に警告 合意案否決なら「離脱なくなる恐れ」
ロンドン(CNN) 英国のメイ首相が欧州連合(EU)と合意した離脱案に英議会が難色を示し、可決が危ぶまれている問題で、メイ首相は9日、同案が否決されればEU離脱自体がなくなる恐れもあると警告した。
英下院での採決は11日に予定されている。メイ氏は英メディアとのインタビューで、議会が合意案を拒否した場合、英国は「未知の領域」に突入することになると予告。その危険を「私が本気で確信し恐れているということを、皆さんに理解してほしい」と訴えた。さらに「離脱なし、あるいは合意なき離脱が、現実となるリスクは非常に高まる」と強調した。
一部の議員らが「人民の投票」と称し、離脱の是非を問う2度目の国民投票を求めている動きに対しては、「人民の投票ならもう済んでいる。最初の結果に従おう」と呼び掛けた。
メイ氏の合意案に対しては、最大野党・労働党に加えて自由民主党やスコットランド国民党、政権に閣外協力する北アイルランドの地域政党・民主統一党(DUP)が反対を表明。与党・保守党の一部も、英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドの国境管理をめぐる内容などに反発して造反の構えを示している。
メイ氏が採決を延期するとの観測も出ているが、バークレーEU離脱担当相は英BBCとのインタビューで、採決は予定通り行われると語った。