英下院、メイ政権に「議会侮辱」の判断 文書公開めぐり
ロンドン(CNN) 英下院は4日、政府が欧州連合(EU)からの離脱をめぐり、コックス法務長官から受けていた法的な助言の全文公開に応じないのは「議会への侮辱」に当たるとする異例の判断を下した。
メイ政権による議会侮辱を認定する決議は賛成311、反対293で可決された。
政府はこれを受けてただちに、全文を5日に公開すると表明した。
コックス氏からの助言内容をめぐっては、野党議員らが全文の公開を求めてきた。コックス氏はこれまで、全文公開は国益に反すると主張。3日に概要だけを説明したが、野党側は納得しなかった。
下院ではさらに、メイ氏がEUと合意した離脱案が11日の採決で否決された場合、議会により大きな発言権を認める修正案も可決された。
議会ではこれに基づき、離脱後もEUの関税同盟や単一市場にとどまる「ソフト離脱」や、離脱の是非を問う国民投票のやり直しが議決される可能性もある。
メイ首相は下院での演説で国内の結束を訴え、離脱案への支持を求めた。EU残留や国民投票の再実施を望む議員もいることは承知しているとしたうえで、「それでは解決にならないのが現実だ」「離脱に票を投じた52%の有権者は、自分たちの決定が無視されたらどう思うか、考えてみてほしい」と語った。