メイ英首相、離脱合意案の採決延期を発表
ロンドン(CNN) 英国のメイ首相は10日、欧州連合(EU)と合意した離脱案について、英議会の承認を問う採決を延期すると表明した。採決は11日夜に予定され、メイ氏が大敗を喫する可能性が指摘されていた。
メイ氏はこの日、下院で演説。採決延期の理由として、同案が「かなりの差で」否決される見通しが明らかになったことを挙げた。
同氏が「下院内外の声に極めて注意深く耳を傾けてきた」と語ったのに対し、議場からは笑い声とやじが上がった。
採決の延期を受けて、最大野党・労働党のコービン党首が緊急の審議を求め、バーコウ下院議長が11日の開催を発表した。
メイ氏は演説で、英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドの国境管理をめぐる条項への反発が根強いことを認めた。同氏はこの後EU側と改めて協議し、「保証」を取り付ける構え。首相府によると、11日午前のうちにオランダ・ハーグへ向かい、同国のルッテ首相と会談する。
一方でEUのトゥスク大統領は、英国との再交渉には応じないとの姿勢を示し、「時間切れが迫っている。我々としては合意なき離脱に備えた態勢も話し合うつもりだ」と述べた。ただし、英国での承認手続きを進める方策については「協議する用意がある」と語った。