英EU離脱、閣僚らが2度目の国民投票を模索 日曜紙報道
ロンドン(CNN) 議会が膠着(こうちゃく)状態に陥った状態で欧州連合(EU)離脱が数カ月後に迫る英国で、唯一の打開策として、一度はあり得ないと思われていた国民投票再実施の可能性が急浮上している。
英日曜紙サンデー・タイムズは16日、メイ政権の閣僚数人が2度目の国民投票の準備をしていると伝えた。
同紙によると、メイ政権の事実上のナンバー2、リディントン内閣府担当相は、2度目の国民投票実現に向けた超党派連合を結成する目的で、野党・労働党の議員と会談した。
ハモンド財務相やラッド雇用相、ガーク司法相、クラーク民間企業相らの閣僚も、議会の膠着状態を打開する方法は国民投票しかないとの考えだと同紙は報道。メイ首相側近のバーウェル首席補佐官も閣議の中で、2度目の国民投票こそが「前進のための唯一の道」だと発言したと伝えている。
ただ、バーウェル氏は同日のツイッターへの投稿で、この報道内容を否定した。
ブレア元首相も、国益や民主主義を理由に2度目の国民投票を呼びかけていた。これに対してメイ首相は16日、「かつて自らが身を置いた首相府と、自らが仕えた国民に対する侮辱」としてブレア元首相を強く非難した。
しかしメイ首相や労働党のコービン党首が、少なくとも公の場では、2度目の国民投票の可能性をどれほど強く否定したとしても、これを有望な選択肢とする見方は強まる一方の情勢だ。
英ブックメーカー(賭け屋)ウィリアム・ヒルは、2度目の国民投票が行われる可能性を54%と推計している。