ISISがミサイル攻撃、英特殊部隊員ら死傷 シリア
(CNN) シリア東部で7日までに、米軍の支援を受けてきたクルド人主体の部隊「シリア民主軍(SDF)」の拠点が過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」のミサイル攻撃を受け、クルド人戦闘員1人が死亡、英特殊部隊員2人とクルド人1人が負傷した。クルド系通信社「ルダウ」が伝えた。
東部デリゾール県の町シャファにあるSDFの基地に、ISISの精密誘導ミサイルが撃ち込まれた。英特殊部隊員の容体は安定しているという。
英国防当局はCNNの取材に対し、特殊部隊に関するコメントは出さないと述べる一方、報道内容は否定しなかった。
トランプ米大統領は先月、シリアでISISを打倒したと宣言し、米軍の撤収を表明した。これを受けてマティス前国防長官は、米軍が撤収すれば現地のクルド人部隊などを見捨てることになると抗議して辞任した。
シリアではトランプ氏の撤収表明後も、米軍主導の有志連合が英軍の支援を受け、ISIS残党への掃討作戦を続行。先月16~29日の間に計469件の空爆や砲撃を実施している。
ロイター通信によると、米国のボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)は6日、訪問先イスラエルでの記者会見で、米軍撤収はトルコ政府がクルド人勢力の安全を確約することと、撤収する米軍部隊の安全が確保されることが条件だと説明した。
これに対してトルコ大統領府の報道官は同日、「トルコがクルド人を標的にしているという主張はばかげている」と反発。同国の敵はISISや、軍が「テロ組織」と見なすクルド系の反政府武装組織だと強調した。