イスラエル、シリアのイラン軍拠点を空爆 「ミサイルに報復」
エルサレム(CNN) イスラエル軍は21日未明、シリアの首都ダマスカス近郊にあるイランの軍事拠点を空爆した。イスラエルが占領するゴラン高原に20日、イランのミサイルが撃ち込まれたことに対する報復としている。
イスラエル軍の報道官によると、空爆ではダマスカス市内や近郊にあるイラン軍の弾薬庫、情報機関拠点、訓練施設などが標的になった。
イランがダマスカス国際空港に設けている倉庫も攻撃した。現場では二次爆発が起き、保管されていた武器が爆発したと見られている。
空爆を実施していたイスラエル軍機に向かって、シリア軍がミサイル数十発を発射したため、その発射施設も攻撃した。またシリア側に対し、空爆の標的はイラン軍だけだと伝え、イスラエル軍機を撃たないよう警告したという。
ロシア国営RIAノーボスチ通信は、この空爆でシリア軍の兵士4人が死亡、6人が負傷したと伝えた。
一方でシリア反体制派の在英NGO、シリア人権監視団は、シリア人2人を含む11人が死亡したと発表している。
シリア首都ダマスカスにある国際空港近くに飛来したミサイル/SANA/AP
イスラエル軍報道官によれば、ゴラン高原には20日午後、イラン製の地対地ミサイルが撃ち込まれた。ダマスカス近郊からイラン軍が発射したとされる。ゴラン高原はイスラエルとシリア南部との境界に位置し、ダマスカスからは約50キロの距離にある。
イスラエルのネタニヤフ首相は21日、イランがイスラエルを破壊すると公言していることを非難し、「我々が戦っている相手はイランと、イランによる侵略を手助けするシリア軍だ」と述べた。