テレビ司会者に禁錮刑、同性愛男性へのインタビューで エジプト
(CNN) エジプトのテレビ番組で同性愛者にインタビューしたのは同性愛を助長する行為に当たるなどとして、番組の司会者が20日、禁錮12カ月の刑を言い渡された。
エジプトの国営紙アルアフラムによると、ムハンマド・ゲイティ氏は昨年8月、自身が司会を務める民放の番組で男性同性愛者にインタビューした。この男性は顔をぼかした状態で登場し、性労働者としての暮らしやパートナーの男性との関係について語った。
検察側はこの番組について、同性愛によって得られる経済面などの利益を紹介していると主張した。
ゲイティ氏は宗教を冒とくした罪にも問われ、禁錮刑に加えて3000エジプト・ポンド(約1万8000円)の罰金を科された。釈放後も1年間、監視下に置かれるという。ただし上訴の結果によっては、刑の執行が猶予される可能性もある。
番組ではゲストのジャーナリストが、デートアプリ上で自ら同性愛者を装ったことを報告。アプリを通じて取材した男性の多くが不満を抱え、現状を変えたいと願っていたことを明らかにした。インタビューに応じた男性も、取材の初期段階で出会った相手だったという。
同性愛はエジプトの刑法に記載がなく、理論上は違法ではない。だが同国の性的少数派はこれまで、ポルノや売春などの罪で取り締まりの対象とされてきた。
同国の規制当局は、メディアに同性愛者を出演させたり、同性愛者の主張を宣伝したりすることを禁止する方針を取っている。問題の番組を流した放送局はこの方針に反したとして、2週間にわたり閉鎖された。