はしかの患者が世界で激増、子どもにとっての脅威増大 ユニセフ
(CNN) はしかの患者数が世界的に急増している。ユニセフ(国連児童基金)が世界保健機関(WHO)の統計をもとにまとめた194カ国の平均で、2017~18年にかけての症例数は48.4%増加した。
2018年の患者数増加は、ブラジル、フィリピン、フランスなど10カ国で全体のほぼ4分の3を占める。はしかの世界的な流行は、子どもにとっての脅威増大につながるとユニセフは警鐘を鳴らしている。
ユニセフによると、インフラの不備や認識の低さ、社会的混乱、予防接種に対する反発などが、はしかの流行につながっているケースもある。
患者数が最も増えたウクライナでは、2018年に3万5120人の症例が報告された。これは前年の4782人に比べて634%増だった。
2番目に多いフィリピンは、2017年に2407人だった症例数が、18年には548%増えて1万5599人に達した。19年に入ると事態はさらに悪化して、2月23日までに1万2736人が感染、203人が死亡している。
2017年にはしかの症例報告がなかったブラジルでは、18年に1万262人が感染した。次いでイエメン、ベネズエラ、セルビア、マダガスカル、スーダン、タイ、フランスの順で感染者数が増えている。
はしかは呼吸器系の疾患で、高熱、せき、鼻水、発疹などの症状を伴う。
米疾病対策センターによれば、ウイルスは感染力が特に強く、感染者のせきやくしゃみで空気中に放出されたウイルスは、2時間あまりも生存できるという。
ユニセフによると、2018年の症例数は世界98カ国で増え、17年は症例報告がなかったのに、18年に復活した国もあった。
はしかに有効な治療法はなく、子どもの命を救うためには予防接種を受けさせる必要があるとユニセフは強調している。