ISISの最後の拠点、シリア民主軍が制圧を発表
シリア東部(CNN) シリアで過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の掃討作戦を続ける少数民族クルド人らの「シリア民主軍(SDF)」は23日、ISISの最後の拠点だったシリア東部のバグズ町を完全に制圧したと発表した。
最後の戦闘は23日朝、ユーフラテス川岸に位置する同町近くの丘陵部に残るISISの唯一の陣地で起きた。バグズ町の攻防戦は過去数週間続き、米軍主導の有志連合は空爆で側面支援し、SDFは地上戦を展開していた。
SDFの報道担当者は「SDFはISISが唱えたカリフ制国家の全面的な排除と領土面でのISISの100%の敗北を宣言する」とツイッターに書き込んだ。
ISIS駆逐を祝う式典で発表された文書の声明では、SDFは今後、地域と全世界に今なお大きな脅威となっているISISの全ての潜伏工作員に対する戦いを続行するとも主張した。
SDFはバグズ町攻略戦の開始前、町に残る民間人は1500人、ISIS戦闘員は500人と推定。ただ、戦闘の進展と共に、実際の人数はより多いことが判明。最後の攻防戦の開始は数千人規模の民間人やISISの外国人支持者の退避を優先したため遅れていた。
SDFは米国や英国、フランスの特殊作戦部隊の支援を受ける。ISISは2014年にカリフ制国家の樹立を宣言。支配地の広さは最大時に、シリア西部からイラクの首都バグダッド郊外まで達した。有志連合によると、ISISが統制した住民は最多で770万人で、支払いが強いられる税金、料金や罰金が組織の大きな資金源だった。