NZ銃乱射、容疑者が再出廷 50件の殺人罪で起訴
(CNN) ニュージーランド南部クライストチャーチのモスク(イスラム教礼拝所)で起きた銃乱射事件で、ブレントン・タラント容疑者(28)が5日朝に再出廷し、50件の殺人罪と39件の殺人未遂罪で起訴された。
タラント容疑者は、法廷と外部を映像でつなぐビデオリンク方式でクライストチャーチの高裁に出廷。スクリーンに姿を現すと、法廷内の家族からはすすり泣きの声がもれた。容疑者は落ち着いた様子で、時おり部屋の中を見回していた。
タラント容疑者の発言はなかった。今回は罪状認否を求められず、裁判所の命令に基づく精神鑑定を受けた後、6月14日に再び出廷するよう言い渡された。
法廷は犠牲者の遺族で埋め尽くされた。中には事件の負傷者とみられる人もいて、今でも病院服姿で車椅子に座っていた。
事件は3月15日に発生。タラント容疑者は最初の通報から21分以内に逮捕された。この時は1件の殺人罪で起訴され、罪状認否を行うことなく再勾留となっていた。
同月16日の初出廷の際、法廷は一般には公開されなかった。当局は犠牲者の名前の公表を控え、法廷内の容疑者の写真についても判事がぼかしを入れるよう命じていた。
今回の審理の直後、被害者の1人は取材に応じ、「彼の姿を見てとても動揺した。彼の顔には何の感情も浮かんでいなかった」と語った。