中絶禁止に違憲判決、66年ぶりに法改正へ 韓国
ソウル(CNN) 韓国の憲法裁判所は11日、66年前に制定された人工妊娠中絶禁止の法律を違憲とする判断を示し、2020年末までに中絶を容認するよう命じた。
判決では9人の裁判官のうち7人が、中絶禁止を違憲と判断した。同法は2020年12月31日までに改正が必要になる。妊娠20週を経過した後の中絶は引き続き禁止される。
これまで韓国では、中絶した女性に対して1年以下の禁錮や200万ウォン(約20万円)以下の罰金、中絶に協力した医師などに対しては2年以下の禁錮が定められていた。
実際に起訴されるケースは極めてまれだが、皆無ではなかった。
韓国国内で15~44歳の女性を対象に行われた実態調査では、回答者4人中3人が中絶禁止の法律を不当だと訴え、約20%は禁止と知りながら中絶を行ったと答えていた。
ただ、中絶容認を求める声が強まる一方、保守派や宗教団体からは反対の声も上がっていた。
今回の裁判では、2014年に人工中絶を行って起訴された医師が原告となって同法に不服を申し立て、中絶禁止によって幸福追求権や平等権、職業選択の自由が侵害されたと訴えていた。