モザンビークにサイクロン「ケネス」上陸、3万人が避難
(CNN) アフリカ南部モザンビークに25日夕、サイクロン「ケネス」が上陸した。国連人道問題調整事務所(OCHA)は26日、上陸を前に3万人以上が避難したものの、依然として7万人が危険な状況にあると明らかにした。
上陸地点は北部カーボ・デルガード州のマコミアとモシンボア・ダ・プライアに挟まれた地域。
24日には風速約39メートルに達し、勢力を強めながら同国南東沖のコモロ諸島を通過、モザンビークを直撃した。25日時点での最大風速は約61メートルで、カテゴリー4のハリケーンに相当する。
モザンビークでは1カ月ほど前、サイクロン「イーデイ」による壊滅的な被害が発生。700人以上が死亡し、数万人が避難を余儀なくされたほか、中部ベイラでは多数の住宅が押し流された。
新たなサイクロンの襲来に備え、国連児童基金(ユニセフ)モザンビーク事務所は、ベイラや首都マプト、北部一帯への支援物資搬入を開始した。中部では依然、イーデイの被害を受けた子ども約100万人に人道支援を行っている状況だという。
カーボ・デルガード州の州都ペンバの住民はCNNの取材に、「今のところ雨はやんでいる」「倒木による被害が大半だが、ペンバでは深刻な状況ではない」と語った。市内にあるホテルの責任者は、海沿いレストランの損壊は最小限にとどまっていると説明した。
風の強さは急速に弱まっているが、今後数日の降水量は500ミリに達すると予想される。月平均の4倍に達し、深刻な洪水が発生する恐れがある。
ケネスはモザンビークを襲ったサイクロンとしては記録の残っている中で最強規模。ただ、イーデイの際は上陸の前後数日を通じて豪雨が続き、50メートル近い風速を観測したのに対し、ケネスによる影響はそこまで破壊的にはならないと見られている。
ケネスが上陸した北部はイーデイの直撃を受けた中部ベイラに比べて人口密度が低い。また、ここ数日は豪雨も経験していなかった。