キューバ、食料など配給の対象が拡大 米制裁響く
(CNN) キューバ政府は12日までに、食料や基本的な洗浄・衛生製品を対象にした新たな配給を開始すると発表した。
米国の経済制裁の強化や同盟国であるベネズエラで進む経済危機が主因となっている。ベネズエラがキューバに供給してきた原油の量はここ数カ月間しぼんでいるという。
キューバの国営サイト「キューバ・ディベート」は10日、鶏肉、卵、ソーセージや洗浄・衛生製品の購入は今後規制されると伝えた。国内ではここ数週間、商品払底への不満が噴出し、鶏肉など入手が困難な商品の販売時には国営市場でけんかも起きていた。
キューバ政府は、物資不足はベネズエラのマドゥロ政権への支援を理由に米国がキューバに科す締め付け策が原因と主張している。
トランプ米政権は今年4月、キューバやベネズエラ、ニカラグア3カ国に対する新たな制裁を発表。この中には、キューバ革命後に資産を接収された米国民が、その資産を利用して活動する外国企業を相手取って損害賠償訴訟を起こすことを認めることも含まれた。
こうした訴訟を可能にする法律は1996年に成立したが、実際の行使に踏み切ったのはトランプ政権が最初となった。同法は5月2日に発効したが、同日には早速、最初の訴訟が起きた。
一方、キューバで多額の投資活動を進めるカナダや欧州連合(EU)加盟国は反発している。