欧米のプラスチックごみ、中国に次いでマレーシアも輸入禁止 次なる輸出先は?
自然保護団体グリーンピースの最近の報告書によると、2018年の最初の7カ月間に米国からマレーシアに輸出されたプラスチックごみの量は、前年の倍以上に増加した。
米国だけではない。マレーシア政府は、米国以外に同国へのプラスチックごみの輸出量が多い国・地域として日本、英国、ドイツ、香港を挙げている。
違法なリサイクル業者
マレーシアのプラスチック輸入量の急増により、既存のリサイクル業者だけでは対応しきれなくなり、地方に無許可のリサイクル業者がはびこりだしたと見られる。
マレーシアの地方都市ジェンジャロムに住むレイ・ペン・プアさんによると、昨年の初め頃からレイさんの自宅の周りで鼻を突くような煙のにおいがし始めたという。
レイさんと地元の住民は合同で煙の発生源を探した。その結果、近所に次々と出現したリサイクルショップが、処理や再販が困難な大量のプラスチックを燃やしていることが分かった。
プラスチックは種類によって価値が異なる。違法業者の中には、分別されていない大量のプラスチックを買い入れ、価値の低いプラスチックに関しては、環境汚染の少ない方法で処理するよりも、違法に燃やしたり、投棄したりした方が安上がりと考える業者もいる。
町のはずれにある部分的に焼失した倉庫内には、今もプラスチックごみが大量に積み上げられている。工場主らはすでに姿を消したようだ。地方議会の報道官によると、工場の敷地の所有者には違反通知が出されたが、所有者は賃借人がリサイクル工場を運営していることは知らなかったと主張しているという。
レイさんのチームは18年の2月から7月までに40以上の違法工場を発見したが、違反者に科される罰の抑止効果が弱いとの批判の声がある。マレーシア政府の発表によると、これまで違法なリサイクル業を営んだとして起訴されたのはわずか6人で、そのうち有罪判決を受けたのはたった1人だ。しかも、科された刑はわずか1日の拘留にすぎない。
マレーシアも受け入れを拒否
マレーシアには、認可を受けた合法的なリサイクル業者も存在する。