立法会にデモ隊集結、「逃亡犯条例」の審議延期に 香港
香港(CNN) 香港立法会(議会)の周辺で11日から12日にかけ、犯罪容疑者の中国への引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正への抗議デモ隊が集結し、道路や政府機関を封鎖した。立法会では同条例の審議が延期になった。
立法会の梁君彦(アンドリュー・リョン)主席は、12日午前から予定されていた審議を延期し、新たな日程を決めると表明した。
デモ隊は11日夜から立法会の前に集まり始めた。現場では警官らが警戒にあたり、荷物検査などを実施した。12日朝までには若者ら数万人が集まり、道路の通行を妨害。香港中心部がまひ状態に陥った。
戦闘服に身を固めた警官約5000人が出動し、放水銃や催涙スプレーでデモの鎮圧を図った。参加者らはヘルメットやゴーグル、作業用手袋を着けて抵抗した。
この日は数百人の店主や教師らも抗議の声を上げ、仕事のボイコットを呼び掛けた。
逃亡犯条例の改正案をめぐっては、9日にも大規模なデモが展開された。しかし林鄭月娥行政長官は、香港を中国本土から逃げ込む犯罪者の避難所にしてはいけないと訴え、撤回を拒否している。10日には、人権を守るための条項を加えたと述べ、中国からの指図は受けていないと強調した。
これに対して民主派議員は、「行政長官が市民の声を無視した」と反発を示した。デモに参加していたある若者は、改正案が可決されれば香港と中国の違いはなくなると主張し、「我々は中国ではない」「警察は政府でなく、市民を守るべきだ」と主張した。