香港デモで鉄道運行停止、発砲で負傷者も マスク禁止受け
香港(CNN) 香港政府が公的な集会でのマスク着用を禁止する法令を制定したことを受け、市内各地で4日夜、反発を強めたデモ隊による行進が行われた。
デモ隊は駅やショッピングモール、銀行などを破壊し、香港鉄路(MTR)が全線の運航を停止する事態となった。
林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官はこの日の記者会見で、5日から「覆面禁止法」を施行すると発表。同法制定を指示したことについて「必要な決断」と語る一方、非常事態に入ったわけではないと強調していた。
香港では最近、デモ参加者の大部分が身元を隠す目的でマスクを着用している。逮捕や警察に狙い撃ちにされる可能性を恐れるためだ。
4日夕のデモは最初こそ平和的な行進だったものの、途中から混乱に陥った。MTRの駅や中国銀行が放火され、通りに展開する警官は襲撃を受けた。
警察幹部は記者団に対し、男性1人が銃で撃たれ手術を受けていることを確認した。
警察はその前の声明で、暴徒化したデモ隊が警官に火炎瓶を投げつけ、地面に落ちた銃を奪おうとしたと説明。「公共の平穏や秩序に深刻な脅威を及ぼす」事態だとし、「暴徒を解散させるために適切な実力行使」をする方針を示した。
マスクを着用したデモ隊は全員、5日午前0時から逮捕のリスクに直面する。逮捕された場合、禁錮1年の刑罰を科される可能性がある。