米軍のシリア撤退、500人乗せた車列が移動中 過去最大規模
(CNN) 米当局者は20日、CNNに対し、米軍の要員500人近くを乗せた車列が現在シリア北部を移動中だと明らかにした。これまで米軍がシリアで行った移動としては最大規模であり、同地域における米軍の広範な駐留が終焉(しゅうえん)を迎えたことを象徴する動きと言えそうだ。
CNNは同日、米軍の要員を輸送するトラック数百台がシリアのハサカ近郊に集まっているのを確認した。東に位置するイラクとの国境へと移動する途中とみられる。米当局者はCNNに対し、シリアから撤退する米兵を乗せた車列が、給油と休憩のためにシリア東部で停車したと述べた。
有志連合の報道官は声明を出し、シリア北部の要衝アインアルアラブ(クルド名コバニ)を20日に出発した米軍の車列について、同地域からの計画的な撤退の一環だと説明した。
エスパー国防長官は米軍の撤退には数週間かかるとの見通しを発表。このうちコバニからの移動が撤退全体の相当の部分を占めると述べた。また今後1000人からなる米軍部隊が、イラク防衛の支援並びに過激派組織「イラク・シリア・ イスラム国(ISIS)」掃討作戦の実施という2つの任務に配備される予定だとした。
米当局の高官がその後明らかにしたところによれば、これらの1000人が配備される地域は現時点で確定していない。全員がイラク西部には駐留しない可能性もあり、今後の配備に関しては該当する国の政府と連携して進めるという。
こうしたなか、クルド人主体の部隊「シリア民主軍(SDF)」は20日に公式声明を発表し、トルコ軍などの攻撃により過去24時間でSDFの兵士16人が死亡、3人が負傷したと明らかにした。SDFとトルコ国防省はともに声明を出し、相手側による120時間の停戦合意の違反を非難している。