避難民キャンプにロケット弾攻撃、16人死亡 シリア北西部
ガジアンテプ(CNN) シリア北西部イドリブ県の村で20日、住む場所を失った人々が身を寄せるキャンプにロケット弾が複数撃ち込まれ、民間人少なくとも16人が死亡した。救助ボランティアの市民団体「シリア民間防衛隊(通称・ ホワイトヘルメッツ)」が明らかにした。
ロケット弾にはクラスター爆弾が装填(そうてん)されており、攻撃によって大規模な火災が発生。多くのテントが焼失するなど物的被害も甚大なものになったという。
安全上の理由から匿名を条件に語ったシリア人の目撃者は、「たくさんの遺体を見た。ほとんどは子どもだった。テントも燃えていた。数千人の人がキャンプから逃げ出していた」と現場の状況を説明した。
トルコとの国境に位置するイドリブ県は、シリア反体制派の最後の支配地域とされる。300万人を超える人口の中には、シリア国内で住む場所を失った大勢の避難民も含まれる。
シリア政府はロシアの支援を受けながら定期的に同県南部への攻撃を実施している。同政府は以前、こうした攻撃について、現地のテロリストを標的にしたものだと主張していた。これまでのところ、今回の攻撃に関する犯行声明は出ていない。
攻撃に使用されたのは地対地ロケット弾2発で、爆発地点から約25メートル離れたところには医療施設があったという。この施設は損傷したが患者らは直ちに避難し、子どもたちも安全な場所に移動した。米国の非政府組織(NGO)「シリア系米国人医療協会(SAMS)」が声明の中で明らかにした。