イラン、イラクに「断固とした」対応要求 デモ隊の領事館襲撃受け
(CNN) イラク南部ナジャフでデモ隊がイラン領事館を襲撃したことを受け、イラン外務省は28日、声明を発表し、イラク当局に「断固とした実効的な」対応を要求したと明らかにした。
イラクでは政府内部の汚職に抗議するデモが続き、イランによる内政介入を拒否する声も出ている。
領事館への襲撃と放火は27日に発生。イラン外務省の報道官は暴徒を非難し、イラク政府に「実行犯への責任ある断固とした実効的な」対応を取るよう要求した。
国営イラン通信(IRNA)の28日の報道によると、領事館の職員は襲撃前に避難していたという。イラクでは約1カ月前にもイスラム教シーア派の聖地カルバラでイランの在外公館が襲撃を受けた。
治安当局者や医療関係者がCNNに明かしたところによると、28日には南部ナシリヤでデモ参加者13人が死亡、75人が負傷。当局は現地に夜間外出禁止令を敷いた。ナシリヤは首都バグダッドの南東約320キロに位置する。
イラクの反政府デモは先月1日の開始以来、死者が300人以上に上り、負傷者も1万5000人に達している。
デモはバグダッドや南部のシーア派が多数を占める地域で発生し、当初は失業や政府の汚職、基本的なサービスの欠如をめぐる抗議が中心だった。だが、政府による取り締まりで死者が出たことを受け、現在は政権の退陣や国連の監督下での早期選挙実施を求める声に発展している。
先月31日にはイラクのアブドルマハディ首相が辞任に同意した。