豪州で過去最大規模の覚せい剤押収、1.6トン 890億円相当
(CNN) オーストラリア警察は6日までに、これまでで最大の量となる1596キロの覚せい剤を押収したと明らかにした。タイから輸入したスピーカーの中に隠されていたもので、約12億豪ドル(約890億円)相当の価値があるという。
同国史上最大規模となった今回の摘発は4日に行われ、メルボルン市内の数カ所で違法薬物が見つかった。上記の覚せい剤のほか、ヘロイン37キロも押収されている。こちらの価格は1850万豪ドルとみられる。
連邦警察と国境警備隊は共同で記者会見を開き、押収した薬物について、男2人と女1人が密輸したものだと説明した。年齢はいずれも30代後半で、このうち2人は通関業務に携わる「信頼できる関係者」だったが、政府機関の職員ではないという。
有罪になれば3人には終身刑の判決が下る可能性がある。
今年4月にメルボルンの税関検査所で真空パックに入れられた大量の薬物が見つかったことを受け、オーストラリア当局は捜査体制を強化していた。連邦警察の幹部は、国内で使用される薬物の量や価格の水準の高さを理由に、密輸業者が同国を格好の標的にしていると警鐘を鳴らした。
今回覚せい剤が隠されていたスピーカーはバンコクから輸入されていたため、これらの薬物は「黄金の三角地帯」と呼ばれる地域で製造された可能性がある。ここはタイ、ラオス、ミャンマーの国境にまたがる地域で、世界有数の麻薬密造地帯として知られる。