イラン反政府デモ、参加者射殺狙う証拠の映像入手 国連主張
(CNN) ガソリン値上げを機にイラン全土で先月中旬に発生した反政府デモで国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は6日、デモ排除に出動した治安部隊が参加者の殺害を明らかに狙ったことを示すとみられるビデオ映像の証拠を入手したと発表した。
OHCHRのミチェル・バチェレ高等弁務官は声明で、死傷者数について不透明な状況が続いていることや数千人規模の拘束者の処遇について危機感を表明した。
治安部隊要員が走って逃げる非武装のデモ参加者を背後から銃撃し、他の参加者の顔面や急所を直接撃ったとみられる場面の映像を得たと指摘。「言い換えれば殺すための発砲」と強調した。
首都テヘランでのガソリン値上げの抗議デモでは車両に火がつけられた=11月16日/-/AFP/AFP via Getty Images
また、信頼出来るビデオ映像にはある都市の法務省のビルの屋根から治安部隊の武装要員がデモ参加者へ発砲する様子も収められていたとした。「国際規範や力の行使に踏み切る基準での明白な違反、人権の重大な侵犯がある」と強調した。
イラン政府は正確な犠牲者数について明らかにしていない。OHCHRは少なくとも208人の死亡を示す情報があると主張。逮捕者は全土で少なくとも7000人とした。
イランのハメネイ最高指導者は先月の演説で、抗議活動に伴う死亡者は「数人」としていた。ロイター通信によると、対抗勢力と外国の敵による妨害活動とも非難していた。また、半国営のファルス通信は全土での逮捕者は1000人以上と伝えていた。