記録的暖冬のモスクワ、ホリデーシーズンに降雪なし
モスクワ(CNN) ロシアの首都モスクワの気温が、12月としては過去最高の水準に達している。クリスマスや新年を祝う装飾に彩られた街路に雪はなく、今後も月末まで降雪はないと予測されている。
24日のモスクワの気温は6.2度を記録した。この日付の気温としては史上最も高い数字となった。
12月といえば例年なら雪が降り積もっている時期。季節外れの暖かさに見舞われ、人々の間では気候危機に関する議論が巻き起こっている。ロシアは石油・天然ガスをはじめとする炭化水素エネルギーの輸出への依存度が非常に高く、これまで気候変動などの環境問題が積極的に論じられることは少なかった。
先週には記者会見に臨んだプーチン大統領に対し、気候変動がロシアにもたらすリスクについて質問が飛んだ。プーチン氏は世界中で気温が上昇していると認めつつも、こうした気候の変化が人間の活動に由来するものなのかどうかに関しては疑念を示した。
ロシアは地球温暖化の国際的なルール「パリ協定」の批准国だが、これまでのところ気候変動への対策をスムーズに進めているとは言い難い。今夏は北極圏で大規模な森林火災が発生し、そこから流れ込んだ煙がロシアの10以上の都市を覆う出来事もあった。
一方でモスクワ市民には、まだホワイトクリスマスを楽しむチャンスが残されている。ロシア正教会がクリスマスと定める1月7日には、東欧からくる強い低気圧の影響で気温が下がるとみられるからだ。ロシアの気象当局は、同国中央部に「冬」が戻ってくる期待が持てるとの見解を示している。